2010年11月25日木曜日

Pivot、R1,S1のヒット確率

本屋でしろふくろうさんという方の本を見かけ、その中に書かれていたPIVOTに到達する確率についての記述に興味をひかれました。しろふくろうさんはフィボナッチピボットを用いて5年分の日足データでPivot、R1,S1等のラインにどのくらいの確率で到達するのかを検証してみたとのことでした。それによればPivotラインにはかなりの確率(確か70%くらいだったと思います。記憶が定かではありません)でタッチするとのことで、その上下のR1、S1ラインにそれよりも少ない確率ですが何%かの確率で到達するというものです。興味深かったのは前日が上昇(前々日のClose<前日のClose)の場合にはR1への到達確率がS1への到達確率よりも大分大きいということ(前日が下降の場合はその反対)でした。

これは面白い!と思い早速自分でも検証してみました。私は現在1時間足のデータでいろいろ検証しているのでとりあえず1時間足で検証してみました。使ったのは例によって16通貨ペアで1時間足、2001年から2010年の途中までのデータです。Pivotの計算は以下のように行いました。(この計算はワイルダー氏の方法ではなくてフィボナッチピボットと呼ばれるものらしいです)

Pivot = (ひとつ前の足のH + ひとつ前の足のL + ひとつ前の足のC) ÷ 3
Range = ひとつ前の足H - ひとつ前の足L
R1=Pivot+Range*0.5
S1=Pivot-Range*0.5

ひとつ前の足の上下でR1とS1への到達確率が半々の確率でなくなるのであれば、あとは回数をこなせば勝てるということだと思って、そんなに簡単なことなのか?と思ってしまいました。(当然そんな簡単ではないということがいろいろやってみてわかりました。下記参照)

まずはPivotとR1、S1を計算して集計を行いました。結果は以下の通りで、確かに前日の上下によって到達確率にかなりの違いが見られます。例えばひとつ前が上昇の場合にはR1への到達確率がS1の到達確率と比較して結構違います。(下記のパーセントのカラムを足して100%にならないのは例えばR1とS1の両方に到達するケース等の重複があるからです)

おおよそ上下の方向によって53%対33%ということでこのままトレードの数をこなせば勝てるということだと早合点しました。

これはすごいと思って「いったい一回あたりのトレードでいくら勝っているのだろうか?」という点を次に調べようと思いました。上昇もしくは下降でCloseした足の次の足の始値でエントリーすると仮定して、始値からR1およびS1までの価格差(距離)を測ったところ以下のような集計結果が出ました。(下記は距離をパーセンテージベースの価格で表しています。)

これはつまり前日が上昇だった場合は(少し考えると当然なのですが...)始値からR1までの距離が始値からS1までの距離よりも短くなり、逆に前日が下降だった場合は始値からS1までの距離がR1までの距離よりも短くなるので、必然的に到達確率が良くなるということでした。距離と到達確率を掛け算してみるとほぼトントンという結果でした。

ということで今回は「そんな上手い話しがあるはずないか」という結論でした。

こう言ったぬかよろこびは検証をしていると良くありますね。 多くの場合はプログラムミスとかそんな結論なのですが今回も少し残念でした。

しかしこの確率を検証してみると言う考え方は今後活用したいと思いました。

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